「最近お葬式に参列しても、悲しくなくなりました」と言われてた。4年前夫が橋の欄干に車で突っ込んで亡くなった奥さんの言葉である。まだサッカー大好きの高校生と看護学校に二人の子供がいる頃の出来事である。

身内のあまりにも悲しい出来事のあまり、他人の不幸に同調できないほど感情を損なってしまったという事かと思い聞いていた。

夫を事故でなくし、自分自身は悲しみに沈んでいたが、それをきっかけに子供たちは医者を目指し、上の子は今年、国立病院の看護婦に内定が決まり。下の子は医学部に合格したのである。

「もし、この事がなかったなら、我が子はこんなに一生懸命に道を求める生き方をしなかったでしょう」

看護学校に通っていた子はその後、大学院に転入して更に励み、下の子は何処でもいいが、大学に入れたらいいと思っていたが、自ら医者の道を選んだのだそうだ。

「わたしは、ごらんのとおりで何も出来ないけれど、子供達がこんなに成長したのは、夫の死があっての事だと思うのです」

死別は悲しい出来事であるが、それだけにとどまらない。その死をどう受け止めるかによって、尊い出来事に転化することもある。

亡きお父さんは今も家族の中に生きているのであった。
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