ロストイン・トランスレーションを見た。本当は東京へ行く前に借りてたんだけれども、何故か見る機会が無くて、今日返したら延滞料金800円でした(;;)

始めは、なんだが日本を馬鹿にしているようなシーンが沢山あって、白色人種に上から見下ろされているようなヤナ感じがしたけれども。見終わってみると、優しい気持ちになりました。

最後まで見れば、わざと日本の病的な部分を強調することによって、主人公の「こころ」の荒んだ感じを表現しているということがわかって来ます。

あくまでも主人公の心が反映したTOKYOなのです。東京を嘲笑したり、不思議がったりする、異邦人の寂しさを意図的に表現している事が見ているうちにわかってくる。

でもこの映画。映画というよりは、映像と音楽が見事に合わさった、上質のプロモーション映像を見ているようでした。音楽とシーンが見事に重なりあって、見るものを(聞くものを?)映画の世界に自然と引き込んでゆく。見ているうちに、私も遠い外国から迷い込んで来た異邦人になったような気がしてくるんです。

外人かぶれの日本人とカラオケをするシーンが印象に残りました。

疲れた二人はカラオケの部屋の扉を出てすぐ横にある椅子に座る。その時にずっと、洋楽を歌っていた日本人が、日本語の歌を歌っているのがかすかに扉の向こうから聞こえてくる、このちょっとしたシーンから、荒れていて、軽蔑して嫌気がさしていたTOKYOとほんの少し主人公たちが和解し始めるていく。

それまでは、神社や仏閣の、いわゆる美しきJAPNのシーンと混沌としたTOYKOとを対比させて描いているが、このシーンで日本と日本人をすこし理解する。そして主人公自身も自分とお互いを少し理解する。この「少し」というのが切ない。

エンドロールでそのカラオケのほんのワンシーンで使われた日本語の歌が流れる。
これで、あのシーンで意図的にこの歌が使われたのだと気づく。

「風をあつめて、風をあつめて、風をあつめて、風をあつめて、あおぞらを駆けたいんです。あおぞらを駆けたいんです。」
この曲がまた切ないメロディーなのです。買うかも!!
調べてみると
グループ「はっぴいえんど」のアルバム「風街ろまん」に収められている『風をあつめて』という曲。
http://www.lit-movie.com/
のENTRをクリックして三曲目に一部が流れます。

東京に行った後に見て正解でした。見た後だったら、映画の影響が強すぎて自分の目で見た旅になってなかったと思う。

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